我々が日々暮らしていて、毎日の記憶がどれくらい残っていくと思いますか?
実は、今日一日の記憶は明日には70%消えてしまうのです。もちろん無意識のどこかの領域には保存されているのでしょうが、ここで言う記憶とは、意識的に引き出せるレベルの記憶のことを言います。
そして、残りの30%がちゃんとした記憶として定着するのです。
我々の記憶に残る情動記憶
その30%ですが、これは強い感情を伴った記憶に限定されます。
喜び・嬉しさ・楽しかったこと・怒り・恐れ・不安等、これらの強い感情と一緒の出来事が良いにしろ、悪いにしろ思い出として脳の神経回路に記録されるのです。
これを”情動記憶”と言います。
情動記憶は無意識の行動として出てくる
情動記憶は、同じような場面に出くわすと、無意識の行動として出てしまいます。
悪い情動記憶の場合、同じ失敗をしたくないので、一度ダメだったことには避けるような言動をします。これによってどこか億劫だったり、気分が乗らなかったり、言い訳をしながら、その対象を避けるように行動するのです。
以上のことから考えると、無意識の行動はなかなか直すのが難しそうに聞こえます。実際難しいのですが、実はこれらはコーチングを受けることによって、改善されていくものでもあります。何故ならその仕組みをプロコーチは知っているからです。
どの情動記憶を引き出すかは選ぶこともできる
ここにある実験結果があります。
同じ場所で行動したグループを二手に分けます。
そして、一方は明るい部屋で思い出を語ってもらいます。もう一方には暗い部屋で思い出を語ってもらいます。
すると、明るい部屋にいたグループからは、楽しかったことや可笑しかったことが多く出されました。
逆に暗い部屋のグループからは、腹が立ったことや、良くなかったことの方が多く語られたのです。
つまり、私たちは現在の感情によって、同じジャンルの記憶が引き出されることになるのです。
例えば、
- 何かにむしゃくしゃしてると、さらに怒りが込み上げてくるようなことになってしまった経験はありませんか?
- 誰かのマイナス点を指摘したり、悪口を言っていると、どんどんその人の悪いところばかりが目についたり、浮かんできたりしませんか?
- 楽しい仲間と一緒にいると、さらにん楽しくなったり、プラスの感情や良いアイデアが浮かんできませんか?
これらは、今現在の感情が過去の情動記憶を引き出し、同じ系統の無意識の行動として現れた結果なのです。
ということは、今現在を楽しく幸せな気分でいられるようにすることが、どれだけ大切なことかお分かりいただけるかと思います。
もし、今あなたが良くない現実に出くわしていたとしたら、それは自分の気づかないところで起きている無意識の行動が原因なのかもしれません。
その場合、コーチングによって無意識の行動を書き換えることによって、人生はもう一つの道へと開いていくことでしょう。